情報系博士課程の就活について

はじめに

多くの方々が日々忙しい中、時間を割いて私の就職活動のご支援をしてくださりました。企業の皆様をはじめ、大学の研究室や就職・進路担当の皆様、先輩、後輩、友人達に心より感謝申し上げます。私の人生経験の中でもかなり大変なイベントではありましたが、皆様のおかげでなんとか乗り越えることができました。

概要

情報系博士課程の学生である筆者が、日系企業の情報系の研究職、開発職への就活を通して感じたことをざっくばらんに書いて行こうと思います。博士課程への進学を考えている方々、民間企業の就職を検討している博士課程の学生の方々の助けとなれば幸いです。個人的に重要だと思う順にアドバイスを列挙していきます。

Webテスト対策は必須

「大学院生ならWebテストは余裕」といった話を耳にしますが、私の場合は全くそうではありませんでした。「株式会社◯◯ Webテスト ボーダー」で検索すると 「◯◯社はC-GAB 8割以上」といった結果が表示されます。こういった情報の出所はともかく、複数の企業の書類選考を通して、個人的にはだいたい当たっていると感じました。私は最初たかを括っていたこともあり、ボーダーが7割超えるところのインターンは書類不採用の連続でした。本腰を入れて勉強し、SPIとC-GABは3回受験し直すことでようやく7〜8割程度のボーダーをクリアすることができました。なお、9割以上のボーダーを獲得するため、10回以上受験する方もいるそうです。 SPIや玉手箱の参考書を買って1〜2周しっかり勉強しましょう。

就活の時期について

早ければ早いほど有利です。D1の4月から研究と並行して就職を意識し始めましょう。とはいえ、D1の段階ではどんな企業・業界があるのかを四季報を手に取ってサラッと眺めたり、ゆるくインターンに応募するだけで十分です。私の場合、M2の夏からインターンにちょこちょこ行き始め、卒業2年前のD2の4月から本腰を入れ始めて自己分析や業界調査、WebテストやGDの練習を始め、D2の1〜3月が本選考の山場でした。

注意点として、製薬等の業界では博士早期選考の影響でD2の6月に面接を行うこともあるので、そういった分野の博士課程の方は出遅れないように注意しましょう。

チーム経験はとても重要

応用研究〜開発フェーズの業種の面接では100%、チーム経験について聞かれます!大学での研究テーマによっては自分一人で研究を遂行することになりますが、その場合には並行してサークルや課外活動でチーム経験をすることを強く推奨します。私の場合にはつくばチャレンジでのチーム経験を高く評価していただけました。

インターンに行こう

インターン経由で採用をする企業の比率が増えているようです。学士、修士の学生と比べてもインターンに参加できる期間が長いという点で博士課程は有利だと思います。先述したように、私はM2の夏からいろんな企業のインターンに参加させていただきました。

余裕で不採用になります

学歴の「強さ」やガクチカの「強さ」に関係なく、不採用となることは避けられません。Webテストの点数が基準に届かなれけば、これらの「強さ」に関係なく、書類選考で当然、不採用となります。大学のキャリアセンター等でESの添削・模擬面接をしていただくことで確度を上げることはできますが、それでも評価基準がほぼブラックボックスである以上、採用・不採用となる明確な基準は誰にもわからないのです。不採用になってしまっても落ち込む必要はありません。人事を尽くして天命を待ちましょう。

自己分析は学士・修士の就活よりさらに重要に

学士や修士の学生と比べて面接で話せるエピソードが多い点では有利ですが、各エピソードのつながりや一貫性が弱くなる罠に陥ることがあります。 自己分析をし、自分の人生を一貫したストーリーとして整理することで自分の強みや弱み、人物像、心境の変化について一貫した説明ができるようになります。個人的には、三井物産社や三菱地所社で実施される、3000文字程度で自分の人生のストーリーを説明する、「自分史」を書くことを強くお勧めします。私の場合は大学生活を通して「最初は技術や科学にのみ興味が向いていたが、大学時代での出会いを通じて、人を思いやり誠実に向き合うことの重要性を認識した」というストーリーの自分史を作成し、そのストーリーをベースに面接で質問に答えることで、説明に一貫性を持たせることができました。

学会でいただく名刺はとてもありがたい

学会でポスター発表をするといろんな方々がポスター発表を聴講しに来てくださいます。発表後にいただいた名刺は、後々OB・OG訪問の際にとても重要になりますし、早期選考ルートを紹介していただけることもあるので、学会ではしっかりポスター発表を行い、いただいた名刺は大事にしましょう。

博士課程は就活に有利か不利か

  • 修士の学生より3年も長く学生生活を送ることができるので、多くの研究実績やインターン経験を積める
  • 人生経験も多いのでさまざまなエピソードが面接で説明できる
  • 自身がやりたいことが明確になる
  • 学士・修士の頃と比較して文章構成能力が上がっている

という点で有利だと思います。新卒採用という枠組みなので、専門分野が関係なくてもポテンシャル面で採用されることもあります。就職活動を通して、自分の研究がいかに社会のニーズと繋がっているかを再認識することができ、それが研究へのモチベーション向上にも繋がりました。ただし、学士・修士の学生達と同じ土俵で評価されるとは限りません。私の場合には、学士・修士の学生よりも一段階面接のステップが多く、そこで博士課程での研究内容について深掘りして質問がありました。

不利になる可能性としては、一部の企業では博士は新卒のルートでは入れず、中途採用と同じルートとなってしまうため、専門性がマッチしないと簡単に書類選考で選考見送りとなってしまいます。

研究成果について

どんな著名な国際学会に採択されたか、論文誌は何本通っているのかは多くの企業で一応確認されました。ただ、ここで優劣が生じるかは正直わかりません。基礎研究の面接では研究成果そのものに加え、研究をするにあたりソースコードレベルでの実装能力が確認されました。私の場合はCPUやGPUのL1,L2キャッシュまで使い切る、メモリ一貫性モデルを駆使する、といった低レイヤな分野でのコーディング能力が評価されました。研究実績以上にインターンシップの参加も重要だということは忘れてはいけません。

OB・OG訪問の人数について

一社につき1〜3人程度で十分だと思われます。「OB訪問は多ければ多いほど良い」という説を信じ、一社につき10人以上訪問するスタイルには懐疑的です。

最後に

博士課程における就職活動は、良くも悪くも選択肢が広がる分、自分の将来について「ああでもない、こうでもない」と迷いが生じ、立ち止まってしまうこともあるかもしれません。今までの受験や研究とは全く異なる評価軸に戸惑ったり、時には予想もしない結果に理不尽さを感じることもあるでしょう。研究と就活、両方のプレッシャーに押しつぶされそうになることもあるはずです。それでも、試行錯誤しながら何度も立ち上がり、前へ進もうとする根性と勇気を持つ皆さんのことを、私は心から応援しています。

2ヶ月でIELTS 5.5→6.5にする方法

訳あってIELTS Overall6.5を2ヶ月以内に取る必要があり、猛勉強したらなんとか取れたので、その時の勉強方法をまとめておきます。

1. まず最初に、以下の二冊を買いました:

  • 実践IELTS英単語3500:単語帳。四つのどのテストにおいても必須のものです。
  • 新セルフスタディIELTS完全攻略:模擬試験と織り交ぜて、四つのテストのそれぞれの攻略法が簡潔に書かれている本。僕は最初にこの本で自分の苦手分野がWritingとSpeakingであるとわかりました。

2. WritingとSpeakingが苦手であることがわかったので、以下の教材を追加しました。

  • DMM英会話:Speaking対策のために、フィリピン人の方と毎日25分レッスンを受けていました。Nativeの方を講師として選ぶには追加料金がかかります。DMM英会話ではたくさんの教材を自由に選べます! 「物語文やニュースを講師と一緒に読む」という教材を使って正しい発音の仕方や単語を勉強したり、また「IELTSスピーキング対策」という教材があったので、僕はこれを使って毎日Speakingの模擬試験をし、フィードバックをもらって勉強してました。効率的に勉強できるように、各教材がとても丁寧に作られています。
  • IELTSライティング徹底攻略:中身はタイトルの通り。IELTSはTOEFLよりもWritingの採点方法が厳しいので、本書は誰にでもオススメできます。正直、僕はこの本に巡り会えていなかったら目標のスコアには到底辿りつかなかったと思います。購入を強く推奨します。

3. 試験から二週間前までにIELTS公式の問題集を二冊(テスト8個分)揃えておき、テスト当日までの二週間はひたすら模擬試験を行なっていました。

結果、Overall 6.5(Reading 6.5, Listening 6.5, Speaking 6.0, Writing 6.0)を取ることができました。実は最初はSpeaking5.5とスコアが返ってきたのですが、もっと高いスコアのはずだと確信を持っていたので再採点を依頼したら6.0に上方修正されました。なお、Writingでは「最低250words」という条件があったにも関わらず、僕は時間が足りず238wordsしか書けませんでした。それでもスコアが大幅に落ちるわけではなく、一応6.0は貰えました。

要点をまとめると、

  • 自分の苦手分野を知り、常に勉強方法をアップデートしていく、というプロセスが大事だと思います。惜しまず追加で教科書を買いましょう。
  • Writing, Speakingについては採点者の匙加減が人によって違うので低めに採点されることが非常に多いです。再採点によって、40%の確率(僕個人の調べ)でスコアが上方修正されます(下方修正は発生しません)